踊るダメ人間日記辛ラーメンの話

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辛ラーメンの話

講師の中村です。
辛ラーメンの話。

先月後半から体調が優れなかったのだけど、UNEXHIBITABLE II -放送禁止展 貳-が終わってから、タチの悪い風邪をひいた。というか、風邪をひくこと自体タチが悪いので、本当にタチが悪いのは僕自身そのものなんだけど。

病院の検査によれば、コロナやインフルなどの流行病ではなかったし、症状も軽かったので仕事をややセーブしながら過ごしていた。2-3日して治りかけてきた頃、入れ替わるように声帯炎にかかってしまった。実はこれ、人生2回目。1回目の時はなかなか治らず、少しトラウマになっている。

あれは確か、ギター講師になって1年がちょうど経ったくらいの時で、レッスン中に声がかすれてきて、徐々に声がフェードアウトした (曲の最後の方みたいな感じで)。その後のレッスンも全てキャンセルして病院に行くことにしたのだけど、問診の時にはもう喉から空気が漏れているだけの状態になっていて、声によるコミュニケーションはできない状態…。鼻からカメラを飲み込み、患部をモニターで確認したが耳鼻科の先生は「炎症はしているがひどい様子はないので、2-3日したら治りますよ」と言った。

通常、大きな声を出し続けたりして炎症を起こすものらしいが、僕は歌手じゃないので当然そんな無茶はしておらず、全く身に覚えがなかった。結局、先生の見立ては外れて、完治には2週間以上かかったのだけど、嘘みたいに声が出ず毎日が本当に不安だった。先生から言われた「2-3日で治るよ」があるだけに、2週間経った頃には本格的に怖くなった。ネットの調べでは声帯炎はウイルス性やストレス由来のものもあるらしいので、原因は分からないが「突然罹ることもある」と納得させながら過ごしたのを覚えている。

今回は”空気が漏れているだけ”の状態ほどひどくはなかったが、ほぼ天龍 源一郎氏のような声が3日間続いた。病院でネブライザーを吸入したら次の日には声が元に戻ったので、今回は軽い炎症で済んだ。

声が戻った後も続いている鼻詰まりもなかなか厄介。もともと鼻炎持ちで鼻は弱い。ただ味覚が感じられないほど鼻が詰まることは珍しく、イタリアン・ローストのコーヒーを飲んでも、飲み込んだ後に弱い苦味を一瞬感じる程度でパンチがない。先日お昼にマカロニサラダとおにぎりを食べたが、温度以外何も分からなかった。これは不便だ。不便だが、これはこれで楽しむほかない。これほど舌がバカになっているなら、辛いものも食べれるのではないかとふとよぎった。

僕は辛いものが本当に苦手で、亀田の柿の種でさえも食べた後は「スーハー」と息をするし、名古屋の”赤から鍋”は3辛が限界。それ以上は生きていくのに必要のない辛さだと思っているくらい、辛いものとの相性が悪い。なぜアジア人は (僕もアジア人だが)こんなに辛いものばかり食べるのだろう。塩だろ。この世の味の中で塩味が一番美味い。塩ラーメン、塩焼きそば、焼き鳥の塩、ポテトチップスうすしお味…。天ぷらもゆで卵も鳥刺しも、塩で食べるのが何より美味いはずだ。サラダだって塩とオリーブオイルでシンプルに食べるのもいい。

話が逸れたが、とにかく今なら辛いものにも耐えられるほど味覚が鈍っているのではないかと考えた僕は、すぐにスーパーでカップ麺の辛ラーメンを買ってきた。このメーカーのラーメンや焼きそばは幾度となく挑戦してきたが、完食できたことが一度もない。

公式的にはこのノーマル辛ラーメンは辛さレベルが2.5 / 5という評価らしい。いわば農心社 (辛ラーメンのメーカー)のこれが基準である。この基準にいつもの僕は耐えられないが、今回はどうだろうか。

美味しそうだ。いつも見た目にだけ釣られてしまって、実際食べるといつもしてやられる。

でも今日は違った。美味い。鼻が詰まっている時の辛ラーメンは、美味い!後半ちょっと汗が噴き出てしんどかったが、特に問題なく全部食べ切った。雌雄は決したのだ。これなら美味しく食べれる。

まぁ、また食べたいかと言われたら、まぁ、それは鼻のコンディション次第だけれども、「鼻が詰まっていれば辛ラーメンは食べれる」ということがわかったのは新しい発見であった。


早く治します。


Midville’s
中村

音楽講師 / ビートメイカー

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