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音と脳の関係

ギター講師の中村です。
今回は音楽と脳の関係についてさわりだけ。「1/fゆらぎ」だの「α波」だのについて書きます。

ここ100年近くで音楽と脳の関係について多くのことが分かってきました。医療や臨床心理、マーケティングの現場で音楽を使った新しい試みが日々行われています。

1/fゆらぎ

「1/fゆらぎ」成分を含んだ音が、人間をリラックスさせるッて話、聞いたことありませんか?さざ波の音や川のせせらぎ音などの環境音には「1/fゆらぎ」という成分があって、聞くとちょっとチルな気分になれるとかなんとか。もちろん自然界だけでなく楽器の音や稀に声にもこの成分が含まれていることがあります。

「1/f」というのはグラフの形の話で、「音量が周波数fに反比例している」ことを指しています。下のグラフだと横軸が周波数、縦軸がパワー。横軸が「10の-1乗」あたりからほぼほぼ反比例状態、つまり周波数が上がるにつれてパワーが0に近づいています。

「ゆらぎ」は、このグラフのブレてる部分です。なんか、株価の動きみたいにブルブルしてはるんですけど、規則的に変化する数値の中に予測できないブレが生じていることを意味しています。

直線的でキレイな反比例のグラフで表されるような音では人はリラックスできないそうです (ただのノイズ)。自然音や街の背景雑音、楽器や人の声などに稀にリラックス効果があるのは、このような「ゆらぎ」が含まれているためだと言います。もし皆さんに「何か分からんけど好きな音」があるならば、そこには「ゆらぎ」が存在しているかもしれません。

 

まぁ厳密にはゆらぎを感知するのは耳だけでなく、目でも良いそうですが、ん〜その話はまた今度にしましょう、長くなりますから。とにかく何かしら五感を介して「1/fゆらぎ」を感じたときに、人間はリラックスするようにできているということが最近 (ここ100年以内)でようやく分かったということだけ。頭の良い人たちが一生懸命調べたおかげで。

機械的な「速さ」は退屈である

なぜ「1/fゆらぎ」が良いとされているのか?

そもそも生体自体が「1/fゆらぎ」のような独特のリズムを持っているためだと言われています。人間は「1/fゆらぎ」を感知すると体がそのリズムに同期して自律神経に良い影響が出るようになっているらしいのです。そういえば脈拍も一定のリズムではなく多少のブレがありますしね。

例えば、メトロノームの音は常に一定ですが、ひどく退屈です。全く練習が捗りません。本当はやった方がいいのは分かっているんですが、正直好きではありません。練習時はドラムマシンで適当な8ビートもしくは16ビートにフィルを入れて変化を付けたものをループさせて流しっぱなしにして演奏します。

楽曲にも多少のブレは必要だと思います。楽器を弾くことなしにパソコンだけで曲を作るとBPM (テンポ)にピッタリとハマッて一才のブレがなくなり、曲が退屈に聞こえるからやっぱり人の手で演奏した楽曲が良いと考える人は多いのです。

α波 (アルファ波)

リラックスしている時の脳波の基礎律動 (リズム)を「α波」と言い、8-13Hzに調整された状態になります。そうなると”脳内の快楽物質”とも呼ばれるβエンドルフィンが分泌されます。βエンドルフィンはモルヒネと同じ作用があり、鎮痛効果に関してはモルヒネ以上だとも言われます。

鎮痛といえば、アメリカでは第二次世界大戦の時に肉体的あるいは精神的なダメージを負った軍人たちのために病院で定期的にコンサートを行ったところ、良化が早まったという話があります。また、女性の場合音楽を聴くと痛みが和らぐと答えたのに対し、男性は痛みの程度は変わらないが長く耐えられるようになったと答えたそうです。

休憩中に上手くなる

2021年、NINDS (アメリカ国立神経疾患・脳卒中研究所)が興味深い論文を出しました。それは「スキル練習 (スポーツや楽器の練習など)は練習中ではなく休憩中に上手くなる」というもの。

この”休憩”は、起きている状態を指しているそうです。そして何も考えずに10分、15分ほど過ごすことが大事だとのこと。この間に脳内ではそれまでの行動が約20倍のスピードでリプレイ (反復)され定着が早くなるとのこと。実際に「休憩なしでひたすら練習する人」と「こまめに休憩する人」とではスキルの定着に大きな差が出ていて、後者の方が良かったそう。これは「間隔効果」や「スペーシング効果」と言われています。

論文で触れられていたのはあくまでもスキル訓練 (技能の獲得)に対して効果的であるという話になっていますが、僕は中学生の頃に担任の先生から「暗記科目は寝る直前と起きた直後にやると良い」と教わって以来、暗記科目はそれほど悪い点数を取ったことがありません。まぁ、理科はどうしても苦手でしたが…。 当時の担任の先生は知ってか知らずか、間に休憩を挟むことで知識が定着することを知っていたんでしょう。これが睡眠ではなく、起きたまま休憩していたら僕は理科も得意な子に育っていたかもしれません。

 

Midville’s
中村

音楽講師 / ビートメイカー

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