
親御さんにやってほしい3つのこと
講師の中村です。
子供の習いごとには、周囲の大人による適切な環境作りが必要不可欠です。先生に任せっきりというスタンスや、親御さんのエゴが入ると子供が負担になるだけであまり効果的ではありません。なので今回の記事では親御さんに是非とも協力してほしいこと、実践してほしいことを書いてみます。
①コツコツやる事の大切さを伝えること
稽古が習慣化するには個人差があるので、ある程度の年齢に達するまではそんなに無理強いしなくて良いです。大人も子供も「やれ」と言われるほどやりたくないという気持ちが強くなります。そーゆうもんです。
それよりもコツコツやる意味を教えてあげてください。「つまだつ者は立たず、またぐ者は行かず」と言いまして、人に爪先立ちをさせても大股歩きをさせても所詮長くは続かないのです。地味で良いから続けられる方法を模索することが大切です。それを一緒に考えていきましょう。音楽に触れている時間は楽しくてOKです。でも実態は海のように果てしなく深い、玄妙な学問です。裏道はありません。1つ1つやっていくしかないのです。
無理強いをされると子供は怒られないためにその場しのぎの演技をすることがあります。ただそのストレスの発散方法を彼らは知りません。大人と違って…。そういった精神的な負担をかけて音楽が嫌いになってしまってはこちらとしても悲しいです。

お家での声掛けはとても大切です。いきなりは無理なので、少しずつです。コツコツ。間違っても僕の前で「ウチの子、全然やらないんですよ〜!」などと言うのはよして下さい。その積み重ねは隠蔽の温床になります。子供なりにもメンツがあることを、どうかお忘れなく…。褒める時はみんなの前で、叱る時は個別に…です。
②講師との連携
残念ながら先生は魔法使いではありません。お子さんの頑張りや自発性を支えるには親御さんのフォロー、連携プレーがどうしても必要です。

何か問題点などがあった場合、それを話し合うのを恐れないということです。
例えば、レッスン前に「ウチの子、学校で嫌なことがあってちょっと沈んでます。」と一言連絡があるだけで先生 (僕)はお子さんとの接し方を調整できます。子供に限らず、人間ッてやる気にムラが出ることもあるし、その日あったことを引きずってレッスンに来ることもありますよね。大人なら、自分の気持ちとうまく折り合いをつけられるけど、彼らの世界ではきっと難しいと思います。
親には話したくないけど塾や習いごとの先生くらいの距離感の大人になら、話すだけでスッキリすることもあるでしょう。…まぁ、レッスンが愚痴を吐き出す場所になりすぎることもどうかなとは思いますが、ギターどころではない時は受容する器になってさしあげましょう (それくらいしかできません!)。
先輩としてあるいは指導者として上から言うことも (言わなきゃいけないことも)あれば、僕が教え子の目線に立って一緒に考えないといけないこともあります。先生の言うこと聞ける素直さとかレッスンそのものの温度感は2人ですり合わせたいのです。それには、その子をよく知る大人の数が1人でも多い方が、パフォーマンスは高くなると思います。
僕の受講生に関しては、何かあれば中村までお申し付けを。
③親御さんも音楽やギターについて関心を持つ
ハードルが高い要求なのは承知ですが、親が音楽に通じてるかどうかは子供にとって大きいと思います。それに、共通の話題があれば、親御さんから声かけをするキッカケにもなるでしょう。鑑賞の強制はしなくて良いですが、家の中に音楽がほんの少しでも溶け込んで日常の一部になっているかが重要です。流す音楽は親御さんたちの好きな曲で構いません。
ツウなものに触れると不変の原理原則がちょっとだけ見えてきます。それはいつでも想像以上にシンプルで古臭いです。でもそーゆう”古典”と、若者らしい”流行”の両方を知ることは必ず視野を広げてくれ、考え方を変えてくれルはずです。いわゆる「不易流行」というやつですね。

僕の母は週末の午前中に、大音量で音楽をかけながら家事をする人でした。ゆず、平井 堅などのJ-POPから、Simon & Garfunkel (サイモン・アンド・ガーファンクル)、Billy Holiday (ビリー・ホリデイ)、Sarah Vaughan (サラ・ヴォーン)、Ella Fitzgerald (エラ・フィッツジェラルド)、Lenny Klavitz (レニー・クラヴィッツ)などちょっとツウな音楽はもちろん、EMINEM (エミネム)やJay-Z (ジェイZ)などちょっと尖ったジャンルも偏見なく手を出していて、僕がギターを始めたばかりの頃は「これくらい聴いておかないと恥ずかしいよ。」と言ってEric Clapton (エリック・クラプトン)とJimi Hendrix (ジミ・ヘンドリクス)のCDをくれるような人でした。当初僕にはちょっと難しかったですが、それ以来母のCDラックは僕の教科書になりました。
...まぁ、強制ではありません

以上、子供にとってよりレッスンがより充実した時間になるための3つのポイントを書いてきました。「余計なお世話だバカヤロウ!」と言われそうです。そうです。余計なお世話を言ってます。
ま、でも、書いてる途中で気付いたんですが、子供に限らず大人に対しても同じことが言えると思います。レッスンでの接し方に子供も大人もないんだな…と。まぁ、せっかく書いたので全部投稿しますが。

ただこれら3つのことは親御さんへの強制事項ではありません。その子にとって適切な音楽との距離感を見極めたかったら是非やってね、という程度の内容です。あざした。
Midville’s
中村
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中村
音楽講師 / ビートメイカー
『井上 陽水英訳詞集』 著: Robert Campbell <講談社>
内容は日本語を母語にしている僕たちでさえも「不思議!」と思わざるを