ギターが上達しない人の共通点

講師の中村です。
ギターを始めてしばらくすると、「全然上達している気がしない」「才能がないのかもしれない」「向いてないのかな…」そんな風に思う時期があります。生徒さんからこんな相談をされると一瞬ヒヤッとします。

 

これは「お前の教え方が悪い」というクレームか…?

 

いや、まぁ半分冗談です。僕はやれるだけのことはやっています。体験レッスンに来られる方の中にも、「何年か独学で頑張ってみたけど…」という相談は少なくありません。でも不思議なことに、本当に才能が原因だと思うケースはほとんど見たことがないのです。

今回は、これまでたくさんの生徒さんを見てきて感じる「上達しない人の共通点」について書いてみます。ちょっと、耳が痛いことも言うかもです。

目次

    シンプルに練習量が足りない

    身も蓋もない話ですが、練習を全然してないパターン。上達しない理由を探し始める前に、本当に練習しているかを振り返ってみてください。カッコよく弾いてる人ほど、陰では地味で退屈な練習を地道にやっています。週に1回10分ギターを触るだけで上手くなるなら、世の中みんなギタリストです。もちろん仕事や家事、育児もありますから無理はできません。でも上達している人は、なんだかんだ言いながら触っている時間が長いのです。

    今までより10分、15分程度でもいいです。なんとか捻出してみてください。大切なのは気合ではなく接触頻度です。

     

    動画ばっかり観てお腹いっぱいになってませんか??

    我流を捨てられない

    YouTubeのレッスン動画の先生や、習っている先生から「こうした方がいい」と言われているのに対して、直す気がない方が一定数いらっしゃいます。これは”直させ方が悪い”という先生側のせいもありますが、そもそも我流を捨てる気がないという方は成長しづらいと思います。

    何かを極めようと思ったら「自分を変えるストレス」がものすごく強いですが (僕も経験あります)、それすらも楽しめるくらい余裕が持てるといいですね。これは勉強も仕事も同じだと思います。

    参考動画が悪い

    レッスンでは生徒さんから「この人と同じようにやってみたい」と動画をシェアしていただくことがあります。その動画は原曲ではなく、よく分からない誰かが投稿した動画。こーゆうのを参考にし続けている人は、上達が遅い傾向があります。

    理由は3つ。
    1つ目は原曲の聴き込みが減るからです。中には原曲を全く聴かずに、そのよく分からない動画だけを参考にして取り組もうとする方もいます。原曲理解もないですし、作品へのリスペクトもない……まぁ、かなり厳しいですね。
    2つ目は単純に投稿者の技術不足。生徒さんたちからみれば「動画投稿してるからきっと上手いんだろう」という認識でそれを観ているのだと思いますが、僕からすると「これは真似しんとってほしい…」という例がたくさんあります。
    3つ目は演奏が作業化するからです。「手本があればできるが、クリエイティビティはない」という姿勢は上達を阻害します。ある原曲に対して「自分ならどうやって表現するか」を考える工程は上達する上でどうしても必要なんです。自分の意思や想像力が入ってないものは、演奏とは呼べません。よくて”作業”です。

    悪い手本を観て、クリエイティブ作業まで退けてしまったら、どこに”音楽らしさ”があるのでしょうか。…まぁ、1-2曲くらいそーゆう回があってもいいかもしれませんが、それをコピーしても摂取できる栄養価は低いんです。ジャンクフードみたいなもん。ずーっとこれを続けていても、モノになりにくいと思います。

    もちろん、上手いからいい演奏というワケではありません。その投稿者の演奏の魅力とは別の軸のお話ですので悪しからず…。

    できない部分から逃げる

    人間は苦手なことを避ける生き物です。避けること自体、悪いことではありません。しかし、避けて通れないことがあるのも事実です。

    例えば、
    ・Fコードが苦手ならFコードが出てくる曲を避ける。あるいは簡略版のFを使う。
    ・リズム感に自信がない人がメトロノームを避ける。
    ・耳コピが苦手だからTAB譜ばかり見る。

    気持ちは分かりますが、ちょっと避け方を見直した方が良さそうです。上達は①得意を伸ばしまくる作業と②苦手な部分を少しずつ潰す作業の2つです。しかし上記のようなことは避け続けると、数年後も同じところで悩むことになります。これらは潰していかないといけない課題です。

    上達を急ぎすぎる

    意外かもしれませんが、真面目な人ほど結果を急ぐ傾向にあります。「1年で上級者になりたいから自分を追い込む」「毎日1時間は絶対に練習しているのになんで上手くならないんだろう…」…そんなことを考え始めると苦しくなります。

    よく考えてください。今日やり始めたことが、その日のうちに血肉になるなんてことはないです。僕はそんな簡単なことを教えていませんし、あなたもそんな簡単なことに憧れたのではないはず。

    以前の記事でも書きましたが、音楽は短距離走ではなく長距離走。結果を急ぐ人は途中で燃え尽きます。灰になってしまったら風に飛ばされて僕も拾えません。

    ゆっくりでも続いている人の方が、結局は遠くまで行くのです。遠くまで行く人は、ちゃんと休憩をとっています。

    上手い人と比べすぎる

    SNSやYouTubeを見ていると、とんでもなく上手い人が山ほど出てきます。

    ・10歳で速弾きしている子
    ・ギター歴1年でライブしている人
    ・プロ顔負けの演奏動画

    でも比べる相手を間違えると苦しくなります。「この人たちにも苦手なことはあるんだろう」という気持ちを2%くらい持っておくと少しは楽です。それよりも比べるべきなのは過去の自分。今まさに人と比べて苦しんでいる自分を、明日のあなたが振り返ってどう思うでしょう。

     

    「昨日の私、チョロすぎ」

     

    それだったら、明日の自分がほんのちょっぴり苦戦するくらい、今日のうちから手を動かしてみるといいです。コードチェンジが昨日より少し速くなった。曲を最後まで止まらず弾けた。それだけでも十分成長と言えるのではないですか?

    ここまで色々書いてきましたが、結局のところ僕が一番感じるのは「結局続けた人が一番強い」です。上達する人に共通点があるとしたら、「辞めなかったこと」「諦めなかったこと」。上に登るための階段にも、”休憩”や”方向転換”をするための踊り場が存在しますよね。伸び悩む人は今踊り場を歩いているようなものです。

    僕自身も特別な才能があったとは思っていません。ただ気が付けば長いこと続けていただけです。ギターは不思議な楽器で、続けている限り少しずつ上手くなります。だから今もし上達していない気がしていても、そんなに悲観しなくて大丈夫。才能や努力というフワッとした言葉に負けて途中で諦めてしまうより、自分なりのペースで続けてみてください。

    Midville’s
    中村