ギター初心者が覚えるべきコードは何個?どうやって覚えればいいのか?

講師の中村です。
ギターを始めたばかりの方から、「コードって何個覚えればいいんですか?」という質問を受けることがあります。確かにギターのコード表を見ると、C、G、D、Em、Am、F、Bm……と、次から次へと出てきます。「全部覚えないと曲が弾けないのでは?」と思ってしまいますよね。

でも、何個覚えれば…と聞かれてしまうとなかなかお答えしにくいのが正直なところです。まぁ、初心者のうちは10個前後の主要コードが弾ければ十分です。これはわざわざ覚えようとしなくても、数曲やっていれば次第に覚える範囲です。

ただし、本当に大事なのはコードの数ではありません。あなたがこれから弾きたい曲にどんなコードが出てくるか分かりませんから、覚えられるなら100個でも200個でも全部覚えちゃえばいいんですけど…ただコードって無数にあって端から覚えていくのは非効率ですし現実的じゃないです。

なので今回の記事では初心者の方がすべき訓練についてと、コード丸覚え術について書きます。

目次

    コードは頭ではなく手で覚えよ

    コードは、僕も何個あるか確認したことはありません。それくらいたくさんあります。また、初心者の方はガックリくるかもしれませんが、ギターは1つのコードに対して複数通りの押さえ方があります。例えばCだけで少なくとも5通りくらいはありますから、それも含めると相当な数になるでしょう。こーゆう、「その都度変わるかもしれないこと」は覚えない方がいいです

    まぁ、最初にも書いたように主要コードは2-3曲もやれば勝手に覚えますよ。実際、暗記よりも”それらを見てすぐに押さえる力”の方がずっと大事です。暗記にムキになることは、英会話をしたいのに英単語だけを覚えている状態と等しいです。演奏においては、コードの前後にある別のコードと繋げながら演奏することが重要です。だからコードは時間をかけて手に覚えさせるほうが合理的なのです。ただこの”手を素早く動かすスキル”を身につけるのはひどく時間がかかります。僕の生徒さんはほとんど大阪人なので「暗記した方が早い!」という力技で解決したがる傾向がありますが、これは演奏を作業化している上に「知らないものはできない」という状態になりやすいので中長期的にはあまりよくないです。

    覚えるな!とまでは言いません。ただ覚える時は「法則をおさえて一気に丸覚え」が賢いです。後半で触れますので最後まで読む体力のある方はどうぞ。

    初心者はまず”カノン進行”をマスターしよう

    「すでに2-3曲のレパートリーがあります」という段階まできた方、試しにこのコードの流れを弾いてみてください。これはカノン進行と呼ばれる有名なプログレッションです。この進行にはC、G、Am、Em、Fなど、初心者が頻繁に出会う超重要コードが詰まっています。弾き方は、1つのコードにつき4回ずつ、秒針の倍 (BPM120)くらいのスピードで、滞りなく鳴らしてください。

    これをスラスラ弾けた方は、次の節に進んでください。スムーズに弾けなかった方は、できるようになるまで何度も練習してください。10回でできないなら50回です。それくらいやればだいぶマシになると思います。連続で50回弾いても30分ちょっとくらいですから、それで身に付くなら早いもんです。ポイントは、右手を止めないことです。

    Fが押さえられないという方は、こちらの記事を参考にしてください。

    コードチェンジが間に合わないという方はこちらの記事を参考にしてください。

    コードは使い回される

    暗記に頼ってしまう人が陥りがちなことの代表例として、以下のコードの類似点を見落とす、というのがあります。

    これらのコードは名前こそ違いますが、形は同じですね。押さえるフレットが1つズレるだけで、名前が変わるのです。効率よくコードを覚えた人は、BmCmが同じ押さえ方を使い回していることにすぐに気が付きます。ということは、これをさらに1フレット、2フレットとスライドさせれば、まだ知らないマイナーコードと出会えるのです。

    コード名は”ルート”で決まる

    コード名はルートで決まるとはどういうことか、先ほどの例を使って説明します。

    コード (和音)を構成する音にはルート、3度、5度などの役割が与えられています。ギターの場合、最も低い音はだいたいルートという役割を持っており、この役はコード名を決定するという重要な使命を持っています。上の画像でいうと、赤丸のRと書いているところがルートです。BmCm6弦を弾かないため、5弦が最も低い音 (ルート)になります。画像のルート音名はC (ド)なので、このコードはCナントカ…という名前が付けられます。

    コードのキャラクターは”フォーム”で決まる

    コードのキャラクター (メジャーやマイナー、セブンスなど)は、フォームで決まります。

    先ほどの説明によれば、Bm1つボディ側 (右側)にスライドさせるとCmになります。そして、2つヘッド側 (左側)にスライドさせると、セーハしている指が外れてAmになります。ということは、Bmのフォームはどこで押さえてもマイナーになるのです。

     

    ではここでクイズ。7fのポジションでBmのフォームを押さえると、何マイナーになるでしょうか?すでに指板の音名を丸暗記した方であれば即答できるはず。

    そう。正解は、Em。

    丸覚えコード12選

    「じゃ、フォーム一覧と指板のルートの位置を丸覚えした方が早いのでは!?」と思ったそこのあなた、賢いです。ということで、僕がレッスンで使っている「コードフォーム一覧」を特別にシェアします。

    ここに12個の主要なフォームがあります。この12個のフォームは暗記してOKです。どうせ覚えるならこーゆう”仕組み”に絞った方が効率的です。仕組みは使い回せるので便利です。フォーム一覧と、5-6弦の指板図を組み合わせれば、相当な量のコードを一度に覚えることができますし、闇雲に覚えるという無駄な作業が省けてタイパ最高です。

    「先生、でもこれ全部バレー・コードですよね?」と感じたそこのあなた、鋭いです。実はギターにはバレー・コードを応用したバリエーションが圧倒的に多くて、初心者の方が最初に習うであろうコード (オープン・コードと言います)はごくごく一部です。もちろん厳密に数えたわけではありませんが、実際の演奏現場ではバレー・コードの考え方で説明できるコードが非常に多く登場します。だからこそ、その大部分を一気に理解できるのがこのシステムの強みなのです。何度も何度も弾いて覚えまくってください。かなり使い物になるはずです。

    今日の内容は人によってはかなり難しかったと思います。でもこの内容がスッと入ってきた方は、ぜひ言われた通りにやって覚えてみてください。数週間後にはコードに対する苦手意識がキレイサッパリなくなっているかと思います。

    改めて言いますが、演奏を暗記によって行うのは中長期的に見ると危険です。考え方に柔軟性がなくなったり、演奏が作業になってしまって音楽的ではなくなってしまいます。そうなると本来の「音楽を楽しむ」という目的とは方向性がかなり変わってしまいますね。演奏を見れば、”記憶で弾いてる”か”音楽をしている”かなんとなく分かるもんです。でも体で覚えたことはちゃんと音楽に昇華しやすいです。ですからとにかくいろんな曲を弾いて、手を動かすことが第一。若い人ならなおさらです。

    最初の「何個覚えればいいですか?」という質問に戻りますが、これへの回答は「数を追いかけるより、曲をたくさん弾いてください」となります。直球の回答が出せなくて悔しい限りですが、もっと大事なことがあるということがこの記事で伝われば幸いです。

     

    Midville’s
    中村