講師の中村です。
ギターを始めたものの、気付けばケースに入ったままになっている方、数ヶ月で触らなくなってしまった方、何度も挑戦しているけど続かない方、結構多いのではないでしょうか。実はギターに限らず、何かを続けること自体、簡単ではありません。僕も昔DJ機材を買ったことがありますが、買うまであんなにワクワクしていたのに1-2回触って、その後は観賞用になり、最終的には売りました。(今は安いPCDJコントローラーをまた買い直しました。)
今回は、これまでたくさんの生徒さんを見てきた中で感じる「続かなくなる理由」についてお話ししたいと思います。
目次
最初からやる気がないわけではない
まず最初に言いたいのですが、続かなかった人も最初はやる気があります。ギターを買う、教則本を買う、YouTubeを観る、体験レッスンを受ける、だいたいやることはみんな同じなんです。問題は、そのあと。
ギターは始めた瞬間から楽しく弾ける楽器ではありません。コードは押さえられないし、指は痛い。コードチェンジも間に合わない。だから最初の数ヶ月は「できないこと」と向き合う時間の方が長いのです。独学勢はこの期間に「あれ、俺センスないかも…!?」などと思ってしまうかもしれません。
まぁ、センスというのも曖昧な言葉ですが、実際これを乗り越えられるかどうかが最初の分岐点になります。
続かない人のパターン①ミスを許せない人
意外かもしれませんが、真面目な人ほど続きません。僕が見てる限り、このパターンが一番多いです。例えばFコードが綺麗に鳴らない、リズムが少しズレた、曲が最後まで弾けなかった、こういったことが許せない、こんなこともできない自分が許せない、そんな気持ちが強くなります。すると、楽器を弾く時間がストレスになってしまいます。でも、そんなことで悩むのは別に普通です。特別にデキが悪いということはありません。
もちろん「ちょっとしたミスも許せない」「初めからできないことがイヤだ」といった感情を否定しませんが、もう少しだけ、”まぁいいやの精神”を取り入れてみるといいと思います。
続かない人のパターン②目標設定があやふや
目標設定って、とっても大事です。
- 1年でプロレベルになりたい
- 難しいソロを弾きたい
- 青春時代に聴いた音楽を自分で演奏できるようになりたい
こんな感じで、人からバカにされそうなくらい壮大なものでもかまいません。むしろ目標はデカければデカいほどいいです。あべのハルカスくらい大きければ、比叡山で迷子になっても見失うことはありません。
しかし大きな目標は単なる最終目的地。闇雲に頑張っても計画性がないので目標には近づくことができません。その目標に近づくには、”少し頑張れば手の届く小さな目標”が必要です。
- 昨日より5分多く練習する
- 昨日よりテンポを上げて練習する
- 10分間指板を覚える
こんな小さな課題を自分で設定して、それをクリアすることで小さな成功体験を積み重ねていくと、次第に脳が”勝ち癖”を覚えます。これはギターだけでなく、勉強でもスポーツでも同じです。「やらなきゃ」ではなく、ハードルを下げてみたり、何かしらのゲーム性をもって取り組むとあまりしんどくなくなります。
「昨日より1%多く努力することを365日続けると理屈上想定される能力は38倍になる」という101%の法則というのがあるくらいです。昨日より1%頑張るだけでいいなら、なんだか続きそうな予感がしますね。
続かない人のパターン③人と比べる
SNSやYouTubeを見れば、とんでもなく上手い人がたくさんいます。自分より後に始めた友達が、自分より上手くなっていたりすると、「自分は全然ダメだ」と思ってしまいますね。でもその人がどれだけ練習を積んだのか、毎日どれくらいやり込んでいるのかは見えません。試験場で他の受験者がやたら賢そうに見える、なんて経験がある方もいると思います。それに近いかもしれません。僕も若い頃は、イベントやブッキングライブで一緒になった人の演奏なんか絶対観ない、という最低な奴でした (劣等感)。でも、あの時一緒に出演してた人たちの多くが音楽を辞めてしまいました。
最終的に大事なのは”それでも続けている”という結果の部分だけです。人と比べたってどうしようもありません。
比較するなら昨日の自分くらいで十分だと思います。少しでも前に進んでいるなら、それは立派な成長です。ウチの受講生たちは本当によく頑張っています。
続く人は音楽そのものを楽しんでいる
まぁ色々言いましたが、結局楽しんだモン勝ちなんですよね。辞めた人間をいくら分析して言語化しても、続かない理由なんて最終的には「楽しくない」一択ですし、上達だけを目的にするとプレッシャーになって続けるのがイヤになります。でも辞めないかぎり、ギターは、いや、音楽は、色んなことを僕たちに教えてくれます。
もちろん、弾くだけでなく、好きな曲を爆音で聴いたり、ライブへ行ったり、新しいギターを眺めに楽器屋さんへ行ったり、友人と音楽の話をしたり…そうやって音楽そのものを楽しむ時間も多分に必要です。
自分の話で恐縮ですが、僕はギター以外に続けていることがいくつかあります。格闘技、英会話、読書…などなど。
人間関係が良くなかったり、忙しくて趣味に時間を使えなかったり、やる気にムラがあったりしますが、完全に辞めてしまおうと思ったことは一度もありません。まだ上達はするんじゃないだろうか、とはうっすら感じています。でも「完全に向いてる」とは思っていません。試合では負けるし、英会話のリスニングはパーフェクトじゃない。でも格闘技の稽古は好きで、色んな人とスパーリングしたいし、英語を使って日本の外の人たちと交流することも好きです。本は多くの知識を与えるだけでなく、自分がいかに無知であるかを教えてくれます。こーゆうことは誰と比較することなく個人的に楽しんでいることの1つです。羽を伸ばさせてもらってます。たまに自分がやってきたことを振り返ると、蓄積したことの多さに驚くことがあります。
「ぬる〜くやってきたけど、案外頑張ってるやん自分。」
そうやって、時々自分を認めてやると「よし、次はこれをやろう」と思えるし、そういう時期も含めて楽しいと思えます。上達が遅いことより、辞めてしまうことの方がもったいない。僕はそう考えています。
レッスンが誰かのモチベーションになってくれるなら、それは僕にとってとても嬉しいことです。
Midville’s
中村

