講師の中村です。
「私にはリズム感ない」そう思っている方、多いのではありませんか。そして、そのほとんどの場合、僕はこう答えます。「本当にリズム感がない人は、ここまで来ません。」
今回は、多くの方が不安に感じている「リズム感」について僕の考えを書いてみたいと思います。
目次
リズム感の良さは生まれつき?
リズム感の良さは生まれつきの才能ではありません。個人差はあるでしょうけど、ほとんどが経験の差によるものです。
そもそも”リズム感”という言葉、実はかなり曖昧な言葉ですよね。
例えば、
・手拍子を合わせる能力
・テンポを維持する能力
・ノリを感じる能力
・タイミングよく体を動かす能力
僕たちはこういったことを全部まとめて漠然と「リズム感」と呼んでいます。なので、「リズム感がない」と言う人も、実際にはどう苦手なのかを整理するところから始めなければいけません。そして紐解いてみるとそれは才能なんかではなく単なる音楽的な視野の問題であるケースがほとんどなのです。
では、リズム感の良い人とは一体どんな人のことかというと、単に”テンポが正確な人”ではなく、”周りをちゃんと聴けている人”です。
バンドやセッションでは、自分だけが正しいリズムを刻んでいても音楽にはなりませんし、ソロでの演奏だとしても、やはり他の楽器の存在を想定して演奏している人とそうでない人とでは聴こえ方がまるで違います。いくつかの楽器が重なって1つのアイデンティティの表現、つまり”調和”を生み出すためにリズムがあります。
リズム感がないと言う人の共通点
これまでたくさんの受講生を見てきましたが、「自分はリズム感がない」と仰る方の多くは単にリズムを意識する経験が今まで少なかっただけのように感じます。つまり音を追いかけることに必死になっていて、間合いや息づかいがないのです。例えばこんな人、
・コードのダイアグラム (図)しか見てない
・ TAB譜の数字しか見てない
・間違えずに弾くことに神経を使いすぎている
少し言い換えると、楽譜を見ている範囲が狭く、手元ばかり気にして、他の楽器との事情も無視してしまっている状態。ちょっとキツい言い方をしますが、これかなり自分本位だと思いませんか?矢印が全て自分に向いているというか。たとえ1人で演奏するスタイルだったとしても、周りにはベースやドラムが鳴っているという想定をして演奏する方がより音楽的になります。
だからと言ってリズム感がない人はなみひととおりに独りよがりな性格をしているワケではありません。音楽的な視野がまだ広がってないだけです。単に今までそれについて考えてこなかった、意識する機会がなかった、というシンプルな問題であることが多いのです。実際にどうすれば解消するかについては、次の記事で書いてみようと思います。
リズム感は鍛えられる!
リズムは鍛えればある程度の精度でできるようになると考えられています。特に苦手意識があるなら、得意にならなくてもいいので、”苦手”と思うこと自体を克服する方がいいです。昨今「苦手なことより得意なことを伸ばそう!」みたいな風潮がありますが、リズムに関しては放置せず向き合うのがオススメです。
じゃ、どのように克服していくか?もっと周りに気を遣って演奏すればいいのか?というと、そうでもないです。耳だけで演奏してしまうと、他の音を聴いてから鳴らしてしまうクセがついてしままいます。そうすると常にほんのちょっと後ろでリズムをとるのがデフォルトになってしまうのです。
レッスンでは頻っ繁に言うのですが、リズム感を養うには体を動かすことが基本です。足で拍子を取るとか首を振ってリズムを感じるとか、体を揺らすとか。これを読んでいる人の中にも「楽譜通りに弾けてはいるけど、自分の演奏に魅力を感じない」という悩みを抱えている人がいると思います。そんな方もぜひ、体を動かすことを始めてみてください。直立不動で演奏するプロはほぼいません。リズムは頭の中で数えるだけでなく、体で感じるものでもあります。
「そんなこと言われても…」と思うでしょう。ならそれを鍛錬すればいいのです。やり方を2つ紹介します。
・1つ目は、音楽に合わせて手拍子です。4拍子じゃなく、2拍目と4拍目で手拍子を入れる練習をしてください。
・もう1つは、音楽を聴きながら散歩です。ジムのランニングマシンでもいいです。イヤホンから聞こえるその曲のスピードに歩く速さを合わせてみてください。
まずは1曲まるまるやってみてください。中途半端はあきまへん。理想は音楽と身体動作をセットにするクセがつくまで。そうすれば、ギターを弾きながら体を動かすことは以前より簡単に感じるはず。
そして、練習ではメトロノームを活用してください。初心者の方の中には、「メトロノームが苦手です」という人もいます。僕も最初はそうでした。機械的で色気のないあのクリック音、最初は合わせられなくて落胆するものです。ですが、機械的なクリック音ではなくドラム音源だと、スッと耳に入ってくる方は多いと思います。ちょっと良いメトロノームなら、ピッピッピッピ…という電子音だけでなくドラム音源も入っていることがよくあります。あるいはYouTubeで「Drum BPM〇〇」と検索すればドラム音源が出てきます。それを利用すれば少しは合わせやすくなるはずです。
ぜひトライしてみてください。
リズム感という言葉は、非常に曖昧で得体の知れない感じがします。それが故にそして多くの方が「自分はリズム感がない」と決めつけたり、「自分には才能がない」と伸び悩んでしまう現象が起きます。しかし蓋を開けてみると「リズムを意識した経験が、リズム感のある人より少ない」だけだったりするのです。
ギターは指だけで弾く楽器ではありません。耳だけでなく、体も使います。もし今リズムに苦手意識があったとしても、全く焦る必要はありません。少しずつ音楽に触れ続けていく中で、リズム感はきっと育まれていくでしょう。
Midville’s
中村
