講師の中村です。
前回アコースティック・ギター、クラシック・ギター、ウクレレのピックアップに関する記事を書きましたが、今回はアコースティック・ギター用ピックアップのオススメ3選です。ピックアップ選びは試してから購入することができませんので、選びづらさがあると思います。
- 安くて手は出しやすいが音が悪い
- 音がいいけどバンドには向かない
- ハウリングしづらくて音もいいが高価すぎる
など、かなり長短があり後付けピックアップには手を出しづらいと感じてしまう方が非常に多いです。この記事ではピックアップの性能にフォーカスして、「こーゆうスタイルの人にはこれがオススメ」という提案をします。
目次
弾き語りからインストまで、”独奏”するならL.R.Baggs Lyric
音量
音質
取り付けやすさ
ステージでの扱いやすさ
中でもLyric (リリック)はギター内部に貼り付けるタイプの小型マイクで、リリースから10年以上経った現在でも高い人気を誇っています。システム自体が軽いので取り付け後も重量感に差が感じられず、また加工はギター本体のボトム部に12mmの穴をドリルで開けるだけですので、慎重にやれば自分でも取り付けられます。
サウンド・ホールの縁にボリューム・コントロールをつければ演奏中も音量調整ができますし、細いマイナス・ドライバーがあれば簡単にマイク自体のゲイン (入力レベル)も変えられます。まぁ、上げすぎるとハウリングしやすくなりますが…。
ラインナップの中にLyricとよく似たAnthem (アンセム)というモデルがありますが、これはアンダーサドル・ピックアップとこのLyricをミックスしたデュアル・ピックアップで、Lyricよりもパワーはありますがバンドでも耐えられるほどの強さがあるかと言われると微妙ですし、Anthemのマイクは高域を強く拾うようにチューニングされているため体感的にはLyricよりハウリングしやすい気がします。個人的にはLyricの方が”マイクとして”優秀ですし、Anthemと比べれば値段もお安いので (それでも高いけど)、Lyricがオススメです。
僕も今は自分のアコースティック・ギターにはこのLyricを装備しています。1人で弾き語りをする方やフィンガースタイルのプレイヤーは一度お試しあれ。
幅広い演奏スタイルに適応、Seymour Duncan SA6 Mac Mic
音量
音質
取り付けやすさ
ステージでの扱いやすさ
Seymour Duncan (セイモア・ダンカン)はエレキギターではド定番のメーカーですが、アコースティック・ギター用のピックアップもたくさん作っています。ただ、ほとんどが加工が必要ない&パッシブで、正直、現場じゃ使い物にならないモデルが多いです…。ところがSA6 Mag Mic (エスエー・シックス・マグ・マイク)だけは違います。
一見マグネティック・ピックアップですが本体の裏側にマイクが内蔵されていますので、デュアル・ピックアップとなります。
ちなみにボリュームなどのツマミも本体と一体化していて、使いやすいです。2つあるノブのうち、1つはマスター・ボリューム、もう1つはマイク単体のボリューム。
マグネティックの長所であるパワフルさと、マイクの長所である空気感が混ざり合ったハイ・パフォーマー・モデルです。注意点としてはマイクだけでの出力ができないこと。マグネティックの音に対してどれだけマイクの音を混ぜるか、という仕組みです。僕が使った感想としては、「量産系のデュアル・ピックアップの中では最も優れてる部類」といったところです。
ギターへの加工なしで使えるFISHMAN NEO-D (Single Coil / Humbucking)
音量
音質
取り付けやすさ
ステージでの扱いやすさ
評価が非常に極端ではありますが、前回の記事で脱着可能なタイプのパッシブ・ピックアップで唯一”マシな”モデルです。前回の記事ではボロカスに言ってました。消去法的な選び方はややネガティブですが、ニュアンスとしては「お金をかけたくない、でも音はそこそこであってほしい」という方には、強いていうならマシじゃないか?です。
FISHMAN (フィッシュマン)はL.R.Baggsと双璧をなす人気のピックアップ・メーカーです。創業者のLarry Fishman (ラリー・フィッシュマン)は元々ベーシストで、プレイヤー目線に立った扱いやすくノイズレスなピックアップが特徴です。
NEO-D (ネオ・ディー)は見ての通りマグネティック・ピックアップで、Single Coil (シングル・コイル)とHumbucking (ハムバッキング)の2種類あります。より暖かくアコースティック感のある音が良い方にはHumbuckingがオススメです (Single Coilよりちょっと高いです)。
このモデル、ピックアップ本体から伸びている線の先端にプラグがついているので、そのままアンプやDIに挿し込めば使えます。つまりケーブルは不要。またパッシブのため電池も要りません。プラス・ドライバー1本で簡単に取り外しができます。
ただし、音質はやはりマグネティック特有の人工的なものですし、ボディ内部に配線できないので、線がむき出しになるのがちょっと見栄え悪いです。線はそんなに長くないので、できるだけアンプやDIの近いところで演奏しないといけません
いいところは①とにかく安いこと、②加工が要らないこと、③値段の割には音がいいこと。お求めやすく扱いやすいピックアップの中では一番使えるモデルです。
FISHMANとL.R.Baggsを比べると
- オーディオ的なよさを求めるならFISHMAN
- ギター本来の音を追求するならL.R.Baggs
という棲み分けだと考えています。FISHMANのハイエンド・モデルにはいいピックアップがたくさんありますが、どんなギターも全部同じ”FISHMANの音”になってしまう印象があります。音としてはキレイですけどね。
売れ筋のピックアップなら
- L.R.Baggs Element VTS (エレメント・ブイ・ティー・エス)
- FISHMAN Rare Earth Blend (レア・アース・ブレンド)
などロングセラー商品は他にもありますが、今回は実体験を元に個人的なオススメを書かせてもらいました。何かの参考になれば幸いです。
Midville’s
中村

