
中村先生の愛用ピック
講師の中村です。
前回の記事で初心者にオススメのピック3選というのをやりましたが、今回は中村の愛用ピックをご紹介。誰が興味あんねん!と言われそうですが、こういう理由でこれを選んだという風にみてもらえたら、皆さんがピックを選ぶ際の参考になるかもしれません。
D’andrea PRO PLEC (PRO-651) 1.5mm

ジャズ型と呼ばれる小さいピックです。ティアドロップよりもさらに一回り小さく、扇形になっています。厚みが1.5mmもあるので、ピックの重みでしっかりと撥弦できますし、先端が丸く処理されていますので、弦に引っかかったりするようなミスタッチも少なくなりました。音色は太く、優しく、温かい。エレキで弾けばジャズッぽいフレーズを弾きたくなるし、アコギで弾けばブルーグラスッぽいフレーズを弾きたくなる。上手くなったような気分に浸れます。
とにかく少ない動きでツルンと弦を弾 (はじ)いてくれるので、ここ数年最も使っているピックです。
Ibanez EL18HD12 1.2mm

厚さが1.2mmもあれば、普通はピックが”しなる”ことはありません。ですがこのピックは、しなります。厚いのに柔らかいという、すごく不思議なピックです。エラストマーという素材らしく、独特の白色で見た目やデザインも好みです。長年使ってますが、消耗はそれほどしてません (そもそも僕はほとんど指弾きなので…)。ただし弦に吸い付くような感覚があるので、速弾きなどにはあまり向いてないですが、コード弾きからアルペジオ、別に速くないソロまで臨機応変に対応できます。形はジャズ型ピック。ただし一般的なジャズ型よりも一回り大きいです。アコースティックギターで弾くと大きな音量で出せるし、エレキギターで弾いても芯のある音が出せます。
これは遥か昔に楽器屋さんで働いていた時にメーカーの営業さんが「これ新商品なんです。中村さん1枚使ってみてください。」と言われて渡された時の1枚を今も大事に使ってます。先ほど書いたD’andrea (ダンドレア)がない時の控えとして使っています。
Fred Kelly Bumblebee Jazz Light 0.50mm

Fred Kelly (フレッド・ケリー)は元プロミュージシャンで、ユーザー目線にたったアイテムを色々作っているアメリカのピックメーカーです。サムピックという親指に付けるタイプのピックです。こーゆうのホントに欲しかった。

一般的なサムピックッて、明らかにギャロッピング奏法とかスリーフィンガー向けに作られてるモノが多くて、ピック部分が異様に長いからアップピッキングがしづらい。故にコード弾きがやりにくい。先端をヤスリで調整すれば使えるモノも多いけど、なんでこっちがそこまでせなあかんねんという話で。ピックの角度も親指に対して直角なので手のフォームも変わってしまうし、そもそも指が太い男性の場合、サムピックを使っていると血の巡りが悪くなって指先がだんだん冷たくなってきたりしてストレス。なので自分に合うものが見つかりにくいんです (これに関してはほんま不満しか出ない)。
もちろんギャロッピング奏法やスリーフィンガーをする人にとってはそれが良いということもあるんですが、このBumblebee (バンブルビー)みたいに「親指と一体型になるフラットピック (←普通のピックのこと)」ッていうのはかなりユーザビリティが高くて、「落ちないフラットピック」のニーズに完璧に答えてると思うんですよね。僕の場合フィンガーピックしながらフラットピック (普通のピックのこと)に素早く切り替えたいので、この形が理想的なんです。ピックの向きや長さも微調整ができるんで、ほとんどフラットピックを使っている感覚です。

最近では好きなピックを差し込んで使えるタイプのサムピックもあるみたいです。これはどうなんでしょう…。
このピックは最近は使うことが減りましたが、ともあれFred KellyのBumblebeeは僕の中では数少ないマトモに使えるサムピックです。
値段もピンキリで、高いものだと何千円もするアイテムもあります。が、高いから良いというワケでもありません。最後のサムピックを除いて、僕が使っているのはほとんど100円や200円のものばかりです。音質重視な人や弾き心地重視な人、色々あると思うのでいいピックの定義というのは難しいですが、まぁ100円くらいなら色々試すのにリスクはそれほどありませんし、たくさん試せば好みのものが1つくらいは見つかるでしょう。
Midville’s
中村
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中村
音楽講師 / ビートメイカー
『井上 陽水英訳詞集』 著: Robert Campbell <講談社>
内容は日本語を母語にしている僕たちでさえも「不思議!」と思わざるを