講師の中村です。
アコースティック・ギターにはサイズがいくつもあるんです。エレキギターみたいに、ストラト!テレキャス!レスポール!みたいなシンプルな分け方はされてなくて。
選択肢が多いのはいいことなんですが、初心者の方がギターを買う時どのサイズを選んだらいいか分かりづらいんですよね。形が様々ありますので、実際に抱えてみてしっくりくるかどうか、ボディが厚すぎて手が届きにくくないか…など一度チェックした方が良いと思います。
さて今回はアコースティック・ギターのサイズを紹介していきます。ギターは大きさによって音が変わりますし、フォルム美も様々。かなり好みが別れるところです。今回は「ボディの大きさ」「抱えやすさ」「音量/弾き応え」「選択肢」「オススメ度」をそれぞれパラメータで表示し、大きいものから順番に詳しく説明&比較していこうと思います。
目次
SJサイズ
GibsonのSJ-200 (J-200)に代表されるSJサイズはスーパージャンボの略。表面積自体はかなり大きいですが、クビレが深いので見た目以上に抱えやすいです。大きさの割には響きはそれほど大きくない個体が多いです。どちらかというと”弦鳴り (シャカシャカとした弦の音が強調される歯切れの良いサウンド)”が特徴的で、力一杯パーカッションを叩くように弾くといい感じに音が出ます。
特にGibsonのSJシリーズは見た目も派手で、ステージ映えします。
【定番モデル】
- Gibson: SJ-200 / J-200など
- Epiphone: EJ-200シリーズ
- Taylor: GOシリーズ (モデル名の末尾が8)
- YAMAHA: LJシリーズ / CJシリーズなど
- Takamine: 000シリーズ
【主な使用アーティスト】
- OASIS (オアシス)のNoel Gallagher (ノエル・ギャラガー)
- Bob Dylan (ボブ・ディラン)
- Elvis Presley (エルヴィス・プレスリー)
Dサイズ
一番よく見かけるボディタイプがD (ドレッドノート)です。Martin (マーチン)社によって発明されました。大きくて、厚みも結構あります。クビレが浅いので人によってはちょっと抱えにくいかもしれませんが、アコースティック・ギターの伝統的なステレオタイプなので選択肢も多いし、初めての1本にはちょうど良いでしょう。重たい低音と煌びやかな高音が同時に飛びだす派手な音 (いわゆるドンシャリ)が特徴です。
【定番モデル】
- Martin: Dシリーズ
- Gibson: J-45 / J-50シリーズ、Hummingbirdシリーズ、Doveシリーズなど
- Taylor: DNシリーズ (モデル名の末尾が0)
- Morris: Mシリーズ
- YAMAHA: LLシリーズ / FGシリーズなど
※Gibson社のJ-45は厳密にはジャンボ・サイズと呼ばれていますが、ほとんどドレッドノート・サイズを撫で肩にしたような見た目なのでこの枠に入れました。
【使用アーティスト】
- 山崎 まさよし
- さだ まさし
- Crosby, Stills, Nash and Young (CSNY)
- Tony Rice (トニー・ライス)
GSサイズ
GSと書いて”グランドシンフォニー”と読みます。下幅は一般的なドレッドノートより大きいため、抱えた時のずっしり感はありますが、クビレがかなりあるのでストレスはそんなにないです。このサイズを作っているメーカーはかなり限られます。
しっかりした駆体で、低音から高音までバランスの良い響きを持っています。D (ドレッドノート)に比べると迫力では劣りますが、音色が暖かくてどんなジャンルにも適性があります。このサイズを作っているメーカーはかなり限られます。SJやDと違って、指弾きにも向いています。
【定番モデル】
- Taylor: GSシリーズ (モデル名の末尾が6)
- Takamine: 500シリーズ
【使用アーティスト】
- 長渕 剛
- 押尾 コータロー
- Dream Theater (ドリーム・シアター)のJohn Petrucci (ジョン・ペトルーシ)
OOOOサイズ / GAサイズ
OOOOと書いて”クワドラ・オー“と読みます。表から見るとD (ドレッドノート)くらい大きいのですが、横から見るとすごく薄くて抱えやすいのが特徴です。
このOOOOサイズ自体はほぼMartin社でしか製造していません。といいますのも、もともとMartin社にあったFシリーズというモデルがあって、それをDavid Bromberg (デヴィッド・ブロンバーグ)というプレイヤーが改造して使っていました。そこからその改造モデルがそのまま商品化につながり、OOOOと名付けられました。
OOOOとほぼ同じくらいのサイズで、少し厚みがあるのがTaylor (テイラー)社のGAシリーズ。Taylor社の中で最も人気のあるフラッグシップモデルです。どちらもジャンルを選ばない万能さと、弾きやすくてすぐに手に馴染む即戦力を持っています。
コード弾きはそこそこ迫力がありますし、フィンガースタイルにも特化していますので、かなりオールマイティに使えます。サイズ感はありますがSJやDと比べれば胴が薄いので多くの人にとって抱えやすいギターになると思います。
特にOOOOは個人的にはもっと評価されていいギターだと考えていますが、いかんせん流通がほとんどなく、しかもMartinギターは高くて買えません。初心者にはあまり優しくないですね…。
【定番モデル】
- Martin: OOOOシリーズ (Mシリーズ)
- Taylor: GAシリーズ (モデル名の末尾が4)
【使用アーティスト】
- David Bromberg (デヴィッド・ブロンバーグ)
- Tom Paxton (トム・パクストン)
- コブクロの小渕 健太郎
- miwa
OOOサイズ/OMサイズ / GCサイズ
“トリプル・オー”と読みます。D (ドレッドノート)の次に定番になっているボディタイプで、多くのメーカーからこのタイプが作られています。またプレイヤーからも非常に人気が高く、老若男女問わずこのギターをアイコンにする方は多いです。
小ぶりで抱えやすく、音色はとても繊細な響きを持っています。迫力には欠けますが、弾いてから響くまでの反応が早いのでピッキングが弱い方でも扱いやすいです。指弾きにも最適でたいていのジャンル/奏法に対応可能なオールラウンダーです。
OOOはOM (オーケストラ・モデル)と呼ばれることもありますが、OMの方が弦長が少しだけ長いです。弦が長いと張りがキツくなりますが、その分だけ音にパワーがあります。TaylorではGCシリーズが同じサイズに相当します。ただTaylor社の方が少し厚みがあります。
【定番モデル】
- Martin: OOOシリーズ / OMシリーズ
- Taylor: GCシリーズ (モデル名の末尾が2)、
- Morris: Fシリーズ
- Takamine: 700シリーズ
【使用アーティスト】
- Eric Clapton (エリック・クラプトン)
- John Mayer (ジョン・メイヤー)
- Jason Mraz (ジェイソン・マーズ)
OOサイズ / クラシック・ギターサイズ
“ダブル・オー”と読みます。OOOよりも一回り小ぶりなギターです。低音は控えめ、迫力より軽さ重視、演奏性がとても高く、抱えやすさや持ち運びやすさ、ライブでの取り回しやすさが際立って良いサイズ感ですね。
クラシックギターのサイズとも似ています。
【定番モデル】
- Martin: OOシリーズ
- Gibson: LGシリーズ
- Takamine: 700シリーズ
- クラシックギター: ほぼ全て
【使用アーティスト】
- YES (イエス)のSteve Howe (スティーヴ・ハウ)
- Keb’ Mo’ (ケブ・モ)
- Gabriel Aplin (ガブリエル・アプリン)
Oサイズ / ニューヨーカー
“シングル・オー”と読みます。ニューヨーカーとも呼ばれていて、非常に細長い形状です。スケール (弦長)は長いけれどもボディサイズはミニギター一本手前、といった感じです。なぜかギターコレクターの方に人気高い印象があります。
音は暖かく落ち着いた響きで、ブルースやカントリーの弾き語りにユーザーが集中しています。カラッとした小気味いい音が特徴です。小さすぎてかえって抱えにくいという声も多いので、小さければ持ちやすいということもないかも。
【定番モデル】
- Martin: Oシリーズ
- Morris: Yシリーズ
- Takamine: 400シリーズ
【使用アーティスト】
- Lightnin’ Hopkins (ライトニン・ホプキンス)
- The Milk Carton Kids (ザ・ミルク・カートン・キッズ)のKenneth Pattengale (ケネス・パッテンゲール)
月並みな結論ではありますが、平均点の高いDやOOOに軍配があがるかなという印象ですね。
Midville’s
中村
