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音楽理論なんて要らない?

ギター講師の中村です。
今日のテーマは「音楽理論 (楽典含む)なんて要らない」と言う意見についてです。

 

まぁこれ、どう活かすかであって、要る/要らないの二元論で話すようなことじゃないんですけどね。「要らない」ッて言い切ってる人は多分知らないだけですし、知らないから要らないッてどーゆう理屈なんかよく分からないし。いいですか。知識ッていうのは、知っている人の味方をするんですよ。

理論など後付けにすぎない

音楽の用語は膨大でややこしく、規則的なように見えてそうでもないことも結構多いです。どういうワケか人間は古代からその膨大でややこしくて複雑なシステムを”美しい”とか”調和”だとか言って親しんできました。ややこしいのは音楽ではなくてむしろ人間の方なのかもしれませんね。

さらに鬱陶しいことに音楽の理論を知ったとて演奏が飛躍的に進化するワケではありません。じゃ何のためにあるの?と思うでしょう。それでも必要とされているからあるんですよ。今から説明します。

そもそも理論というのは後からできたモノで、音楽にありがちな法則やルールに名前を付け、言語化したものにすぎないです。だから初心者のうちからマジメに取り組まなくても大丈夫です。ある程度演奏の経験値を積んだ時に初めて自分の演奏や音楽のあるあるを言語化してくれる存在のありがたさに気付くと思います。

特にギターやウクレレなど五線譜を読まなくても演奏できる楽器に慣れてしまった人にとっては理論を学ぶには少しコツがいります。僕は幼少期にピアノを6年習っていましたのでドレミも五線譜も理解してましたが、それでも多少は苦労しました。

理論が難しい理由

闇雲に理論にトライして、やっぱり諦めたというパターンもよくあります。理論は難しいのです。だって、”学問”ですから。音楽をきちんと”学問”だと認めている人は少数だと思います。特にギターとかの軽音楽の分野では。夢が壊れるとかなんとか言う人、結構多いので。音楽ッて難しいですよ。古代ローマの時代から「人が持つべき基本学問 (=リベラルアーツ)」の中に音楽は存在していましたし、しかも”理系学問の一種”として扱われていましたので、当然のように難しいのです。

全部知ろうとしてはいけない

理論といってもポピュラー音楽と古典音楽とでも少し変わってくるし、楽器によっても考え方少し違うし、使わないもの覚えたって仕方ないので、必要な分だけ教えてもらうようにしましょう。実践を交えながら、人から直接教わるのが良いと思います。動画は有益ですが一方通行だし、本は買って満足するのオチなんで、独学じゃなしにサッと教えてくれる人に聞いた方が早いと思います。
「必要な分だけ」というのは例えば、作曲に必要な知識、アドリブに必要な知識、楽譜を読む/書くのに必要な知識 (楽典)…など、やりたいこと/やっていることに応じてッていう意味です。

ま、気の済むまでやって、嫌になったらすぐに投げ出せば良いです。経験しないと分からないことも多いし、理論通りにいかないことだって全然あるんで、あんまり即効性にこだわらないこと。

あくまでもオプション

「そんなの知らなくても作曲もアドリブ演奏もできるようになる!」とおっしゃる方がいます。確かにその通りです。でもその意見は全くもって今回の話とは論点がズレています。何度も言うように、理論は作曲やアドリブがある程度できる人に向けたジェネリックな説明書と見なすのが妥当なのであって、誰も「理論を知らないと作曲もアドリブもできない」などとは言っていないのです。「英語なんて読めなくても日本で生きていける!」と1円にもならん屁理屈をこねるションベン臭い子供と同レベル。「理論なんかなくても出来る」とドヤッて、メリットを無視してる時点でナンセンスです。砂でも食ってれば良いと思います。

まぁ、もちろんプロでも知らない人はいてますから、無学だからダメということもないのですよ。全員が絶対に勉強すべき内容ではありません。ただ演奏の現場だと演者同士が用語として使うこのもあるので、不勉強だと足引っ張ることはあると思います。

理論はセンスを縛るか?

「黒帯を取ると警察に登録されて喧嘩ができなくなるから、俺は黒帯を取らなかった」と言いだす大人に背筋を凍らせるような思いをする時があります。実は僕、一人称が”僕”のクセに一応有段者 (黒帯)なんですが、黒帯を取ると警察に登録されるっていうのはデマです。したがって僕の体は凶器ではありません。(凶器だったとしても喧嘩はしません。)

本人は”敢えて取得しなかった”ことにしたいのでしょうけども、単に実力不足なだけなのは明白です。

これは「理論通りにしか演奏できなくなるから勉強しない方が良い」と言う人も同じだと思います。まぁ理論通りにもできない人の言うことです。

僕は「挑戦はしたけどダメだった」という人のことは素直に応援しますが、決めつけるように何かを”やらないこと”がどれだけ制限を生んでいるかが見えてないのは本当にもったいない。単なる空気の振動 (=音楽)を言語化したのが音楽理論であり、それは繰り返し使える便利な型とも言えます。その型を知っているからこそ、型から外れて新しい発想が生まれるんであって。もちろん魔法じゃないので、学習前と後でどの程度差があるかッてのは断言できませんけども、深く理解し、体に染み付くまで学んだことが技術を縛り付けるなんてことはあり得ませんよ。むしろ自分の演奏が多角的に見えて、よりアクティブな個性感性の手助けになると思います。

 

Midville’s
中村

音楽講師 / ビートメイカー

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