ギターを高く売ろう

講師の中村です。
今回はギターの売却についての話題です。

売る前に、相場を調べる

値付けのをする前に販売価格の相場を調べます。

値付けの仕方にはいろいろあると思うんですが、中古ギターは買った値段の4〜7割で売られることが多く、値段の幅はとても広いです。7割程度で売られているものは例えば、①Martin D-28やGibson J-45など世間的に定番モデルと言われている、②近年ものの個体が、③新品同様のコンディションだった場合です。中古ギターのコンディションにはレベルに応じて名前がついています。良い順に並べると下記のようになります。

M (ミント): 新品同様もしくはデットストック
NM (ニアミント): キズや使用感なし、新品同様
EX (エクセレント): 年代相応に良い状態
VG (ベリーグッド): 使用感はあるが演奏上の問題はない
G (グッド): 修理の必要はないが多少の難はある
P (プア): 修理すれば演奏できる
J (ジャンク)
: パーツ器としてしか役に立たない

車やレコード、本、古着などでも同じ記号が使われていますので、知っている方も多いかもしれませんが。キレイなのはEX以上であって、キズとか使用感は気にしないのであればEXが良いです。VGは名前の割には程度が良くないです。

 

有名モデルじゃないギターでもコンディションが良ければ、買った値段の5〜6割くらいで値付けするのが妥当でしょう。もちろん「新品同様で修理が不要な状態 (MもしくはNM)」のものに限ります。修理をしないで売るならその分はせめて安くしてあげなければ、誰も欲しがりません。

単に修理が必要なだけでなく、ステッカーを貼っていたりギターやタバコ臭いものなどもVGG程度として扱われるケースがあります。またサイン入りギターは本物かどうか分からない上、それがネット上に載ると悪目立ちしますので、それを思うと消してから売るのが得策でしょう。

コンディションがイマイチなら楽器店に持ち込もう

楽器に不具合がある場合は (目に見えない不具合も含めて)そのままネットに出すよりも楽器店に買い取ってもらうか、修理してもらうのがベターです。ただ楽器店の買取額はそれほど高くありませんので、期待はしない方がいいですね (買取額に利益を乗せないといけないので…)。自分でギターの写真を撮ったり、説明文を書いたりするのッて案外手間だし、その割に売れるかどうかも分かりません。それにネットオークションでも結局10〜20%の手数料が取られるのでとりわけ高級なギターでなければ楽器店に持ち込んだ方が即金的なやりとりができていいと思います。

間違ってもリサイクルショップには持って行かないように。

現金化を急いでない高級ギターは委託販売を

買取は即金でやり取りができますが、現金化を急いでない場合は委託販売がオススメです。

委託販売はギターが売れた後、金額の80〜85%が返ってくるシステムです。(パーセンテージはお店によります。) ちょっとシミュレーションしてみましょう。

例えば僕がミントコンディション (新品同様)のMartin D-45 (上の写真)のオーナーだとして、D-45の中古相場が80〜100万円くらいです (2021年現在)。できるだけお金が欲しいので、税込1,100,000円で売って欲しいとお店に相談したとします。3ヶ月後、お店から「売れました。」と連絡がありました。「ウチの店は2割の手数料をいただいておりますので、8割 (880,000円)をお戻ししますね。」と言われるので、自分の口座に振り込まれるのを座して待つ…という流れです。これが買取だったとしたら恐らく600,000-650,000円くらいになってたでしょう。

ただ委託販売品の多くはお店でセール対象外となってしまうため、長期戦に挑むのはあまり賢い戦略ではありません。できるだけ早く現金化をするのが個人的にはオススメです。例えばMartin D-45を880,000円で販売したとしても704,000円は返ってくる計算なので、それでも買取よりはマシなのです。

もちろんコンディションが悪いと金額は下がるので、売れづらくはなりますが、高額なギターであればあるほどウマミがあるのは間違いありません。

こんなギターは高く売れない

メーカー不明のものは言うまでもありませんが、カスタムオーダーなどで名前が刻印されてるギターはどう頑張っても厳しいです。このようにとにかくサッと売れない個体は減額の対象になると思ってください。お店にとって中古はスピードが命なので、すごく極端な話をすると買い取ったその日に売り物になってほしいのです。基本は高く売りたきゃ即戦力であることが鉄則です。

実は楽器の場合、本や車と違って小さなキズなどによって大幅に減額する必要はありません。ユーザーの多くは多少の使用感に対しては寛容です。見た目ではなく、シンプルに修理歴、改造歴の有無の方が影響が大きいのです。過去にネックが折れた、板が割れたみたいな、修理をしても元に戻る見込みのない故障は正直に説明欄に書いておくようにしてください。クレームになりますので。ピックアップのリプレイスやオリジナルじゃないパーツ交換も人によってはあまり良い印象を持ちませんので (それが例えアップグレードだとしても)、元に戻してから売るか、オリジナルパーツを添付すると良いです。

また、音が良いからという理由で高い値付けをすることは難しいです。そもそも売る側の勝手な主観ですし、音の好みには個人差がありますゆえ。

引き取り

で、買取ができないものやオークションサイトに載せたが一向に売れないことがあります。これは結構やっかいで、売ることのできない楽器は原則として粗大ゴミ扱いになります。なので楽器屋さんに引き取ってもらおうと思っても、その答えはほとんどNOです。他人のゴミ代を肩代わりする義理なんてありませんし、マトモな商売人にとっては利益の出ないモノをコストかけて保管することになんのメリットもないのは自明なので、黙って持って帰れと言われるのがオチです。

ジャンクの表記をすれば2,000円くらいでネットオークションでも売れるかもしれないので出してみる価値はありそうです。パーツ取りぐらいはできるでしょう。

Midville’s

中村

音楽講師 / ビートメイカー

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