
反復記号を覚えよう!
講師の中村です。
めちゃくちゃ面白くない座学の回ですが、読譜における基礎中の基礎なので向上心の高い初級者はサクッと覚えちゃってください。
久々のテキストレッスン、「反復記号を覚えよう」やっていきます。
楽譜をキレイに使うな
レッスンで分かったことは楽譜に直接メモすることを推奨しています。後から自分が分かるようにいくらでも書き込んでください。「分かるようにする」ことが目的で、キレイに保存してもあんまり意味はないです。
リピート

赤丸で囲んだ記号がリピート記号です。リピートで括られている小節を繰り返せ、という意味です。

譜例I: 曲の頭に戻る際は左側の記号は省略されます。

譜例II: 『楽典』においては”繰り返すのは1回だけ”と定義されていますが、稀にポップスの楽譜においては書いてある回数だけ繰り返すように指示していることがあります。この譜例では右端に”5x“と書いてあるので5回繰り返します。

譜例III: 繰り返しが終わったらそのまま次の小節へ進んでOK。
1番括弧、2番括弧...
もし反復内容が1回目と2回目で違う場合、このように書きます。

譜例IV: この譜例のように五線譜の上に書いてある番号及びそれを囲んでいる記号を「○番括弧」と言います。レッスンでは「1カッコ」「2カッコ」などと呼んでいます。もちろんこれは2回だけでなく3回、4回…と繰り返すことが可能です。

譜例V: この場合、1回目から3回目までは同じように繰り返します。
D.C (ダ・カーポ)
イタリア語で「初めから」を意味するD.C (ダ・カーポ)は、文字通り楽譜の頭に戻ります。

譜例VI: D.Cで頭に戻ったら、Fine (フィーネ)と書いてある場所まで弾き、楽譜の途中ですが曲はそこで終わります。Fineはイタリア語で「終わる」を意味する言葉です。英語の”Finish (フィニッシュ)”とか、映画の最後によく表示されるフランス語の”Fin (ファン)”と多分同じ感じだと思います。

譜例VII: Fineを用いない場合、この譜例のように4小節目に書いてあるTo Coda (トゥ・コーダ)もしくはDa Coda (ダ・コーダ)の指示によって楽譜の後半にジャンプする場合もあります。中央より少し右にある蜘蛛の巣みたいなマークがコーダ記号です。
D.S (ダル・セーニョ)
D.S (ダル・セーニョ)はイタリア語で「記号へ」という意味です。ルールとしては「セーニョ記号まで戻れ」という意味です。ちなみにセーニョ記号というのはこんなやつ。

おそらくSegno (セーニョ)は英語の”Sign (サイン)”のイタリア語版と思われます。

譜例VIII: セーニョ記号から弾き始めたら、あとは先ほど紹介したD.C (ダ・カーポ)と同じで、Fine (フィーネ)まで弾いて演奏を終えるか、To Coda (トゥ・コーダ)まで弾いてコーダ記号にジャンプするかが一般的な展開です。
※D.Sで戻ったら、例えその先にリピート記号があっても無効になるのが一般的です。
Fine (フィーネ)とCoda (コーダ)
すでに説明したので基本事項は省きますが、Fine (フィーネ)やTo Coda (トゥ・コーダ)は楽譜の途中に存在するので、見落としてしまうことがあります。

譜例IX: ホスピタリティ溢れる親切な楽譜であればD.S (ダル・セーニョ)もしくはD.C (ダ・カーポ)の指示と一緒に「フィーネまで」とか「後でコーダ出てくるよ」という補足を記載してくれていますので、この楽譜をどこまで演奏するべきか迷うことはありません。
Simile (シミレ)
特定の小節を繰り返す場合はこのような記号を使うことがあります。

譜例X: 真ん中の斜線の数は繰り返す小節の数と同じです。これが2本になったら直前の2小節を、4本だったら直前の4小節を繰り返します。ギターの譜面ではよく見かける記号ですね。楽譜を書く側にとってはとってもありがたい記号です。
『楽典』の本にはこの記号に名前が付けられていませんが、一般的にはこれはSimile (シミレ)と呼ばれています。「同様の」を意味する英語の”Similar (シミラー)”からきていると思われます。
bis (ビス)、ter (テル)、quater (カテル)
あまり見かけない記号なのでサラッとしときますけど、ある期間をリピート記号を使わずに繰り返す際はbis (ビス)、ter (テル)、quater (カテル)を使います。

別にリピート記号を使ってもいいんですけども、リピート記号で括られた小節の範囲内にリピート記号を重複させることはできないので、そーゆう時にbis (ビス)、ter (テル)、quater (カテル)が用いられます。
確認問題!
さて、今日学んだことを、再確認してみましょう!
全部で5問。Let’s get started.

【解答】
ABCD
EFGH
EFGI

【解答】
ABCD
EFGH
ABCD
EF

【解答】
ABCD
EFGH
IJKL
ABCD
EFGH
IJKL
MNOP
IJK
QR

【解答】
ABCD
EFGH
EFGH
EFIJKL
EF
MNOP

【解答】
ABCDCDCD
EFGH
IJKL
EFGH
IJ
MNONOP
皆さんは何問正解できましたか?
Midville’s
中村
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中村
音楽講師 / ビートメイカー
『井上 陽水英訳詞集』 著: Robert Campbell <講談社>
ただ翻訳をしただけでなく、なぜそう訳したのかをあまり難しい言葉を使