
UNEXHIBITABLE -放送禁止展-の話
講師の中村です。
UNEXHIBITABLE -放送禁止展-の話。
ちょっと前にこんな記事を書いた。僕はセンセーショナルな話題には常に関心があるが、”不用意に触れちゃいけなさそうなもの”という雰囲気に少し魅力を感じていながらも、当然それが誰かにとってとても重要な問題であることも同時に理解しているつもりだ。
そーゆう音楽が昔の日本にはたくさんあったらしい。森 達也さんの著書『放送禁止歌』では「いろいろな団体に取材を行なった結果、法的に禁止されている音楽など存在しなかった。ただテレビ局やラジオ局、それから我々鑑賞者の中にある”これは流さない方がいい”という不文律こそがそれらを規制している正体だった。」という結論で書かれていた。
赤い鳥の『竹田の子守唄』、フォーククルセダーズの『イムジン河』、岡林 信康の『手紙』…これらは冒頭で僕が言った”センセーショナルな話題”をテーマにした歌だ。でも歌詞のどこにも攻撃性はないし、誰かを貶める作品でもない。むしろ僕達に考えるキッカケを与えてくれると言う意味ではもっと評価すべき楽曲だと思う。仮に普通の歌だったとしても、1つの音楽作品としてメロディアスで歌唱力が素晴らしかったり、個人的にそう思える楽曲が多い。
とまぁ、長くなったがそーゆう経緯で、メディアでは取り上げられないような、そーゆうセンセーショナルなテーマの歌を生演奏して、人に聴いてもらう機会を作ったらどうかということで、UNEXHIBITABLE (アンイグジビッタブル: 展示不可能な)というタイトルで主催ライブを行なった。企画自体は尖っていて面白いと言われるが、決して冷やかしのためのイベントではなく、”話題作り感”が一人歩きしないように動画撮影を禁止のライブにした。

ご来場の皆さん、本当にありがとうございました。きっと楽しんでもらえたと思う。今回の趣旨も理解してもらった上で、企画自体を楽しんでもらえた気がする。
第1回目の今回は、みみみ食堂の後藤 タカヒロくん、和装ユニット・きものやんの上野 一真さんをお招きした。彼らは僕の好きなシンガーだが日々ライブで忙しい方々なので、いつかまた一緒にやりたいと思っていたけれどなかなか声をかけづらく…。今回は早めに声をかけた甲斐あり、日程を合わせることができたので、決まった時は本当に嬉しかった。
パワフルで男前な歌声の後藤くんと、小説のようなストーリー展開と世界観の上野さん。お二人のステージが観れて、一番楽しかったのは僕かもしれない。プロやなぁ…ほんまに…。本当に今回の出演快諾に感謝。
今後も場所やメンバーを変えながら、この企画がシリーズ化できたらいいなと思っていて、早速第2弾の企画を思案しているところだ。

会場となったのは難波千日前のTidepool (タイドプール)というイベントスペース。なんばグランド花月のすぐ近くで、内装、設備ともにアコースティックライブをするには十分すぎる会場だった。アルコールの提供もアリだったので、お客さんが飲みながら観覧できたのもいい (ここ最近のイベントは昼間が多かったからアルコールなしだった)。


スタッフさんもいい人だったし、機材もあるし、良いイベントスペースだと思う。あの立地の割には会場費が他と比べて結構安かったのもいい。スタッフさんからは「ウチは音響スタッフがいない」「4階まで階段しかない」という欠点を挙げられたが、音響なんてこっちでセッティングすればいいし、階段でちょっと疲れてる方が酒も美味いだろう (まぁ、大変だった人もいるだろうけど…)。是非何かの際にはまたお世話になりたい。スタッフさん、オーナーさん、ありがとうございました。
今回に限らないが、いつも自分が主催するイベントやライブの直前は「地球終わってくれへんかな」と思うくらい頭の中がこれでいっぱいになる。自分なりに思いつく限りのことをしているつもりでも、何かが足りてないんじゃないかという強迫観念に近い感情が湧いてくるし、こーゆうライブの直前に限ってオンラインでの仕事が忙しくなったりして…。3週間前には骨折もしたし、1週間前には風邪もひいた。とにかく無事に、大きなトラブルもなく終えることができてよかった。
ライブの翌日、僕はUNEXHIBITABLEの微々たる売り上げを片手にジャンクのベースを¥3,000で購入した。音が出なかったのはハンダで治して、ネック修正、弦高調整もして、なんとか使える状態に戻し、最近はベースを練習している。

第2回の開催も準備しているので楽しみにしていてほしい。次のライブは10月。10月15日 (日)は箕面でRadioholicの公開収録&門間 英徳大先生とのツーマン。それから10月29日 (日)はギタリスト鳳山 瑞希さんとのフィンガースタイル二人会があります。二人会では着物を着るよ。
入会キャンペーンも引き続きやっております。よろしく。
Midville’s
中村
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中村
音楽講師 / ビートメイカー