考える音楽講師“Soul Makossa” (Rafayette Afro-Rock Band)

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“Soul Makossa” (Rafayette Afro-Rock Band)

講師の中村です。
My Favorite Things #12。フランスからコッテコテのファンクバンドをお届け。

“Soul Makossa” (Rafayette Afro-Rock Band)
1973年【フランス🇫🇷】 ファンク

 

知る人ぞ知る、Rafayette Afro-Rock Band (ラファイエット・アフロ・ロック・バンド)。1970年代に活躍したフランスのバンドですが、メンバーは全員アメリカ出身。

彼らは1970-1978年の8年間だけ、フランスを拠点に活動していました。当時のアメリカ音楽界はファンク、R&Bのジャンルが飽和状態になっていたために土俵を変えるべく渡仏してきたみたいです。ところがこの頃のフレンチ・ポップとうまく馴染まず、あまりに異国情緒あふれる泥臭い演奏はすぐには許容されませんでした。

そのため今作は1作目であったにも関わらず、セールスはそれほど好調ではありませんでした。悪あがきをしてCDを出す度にバンド名をIce (アイス)やCrispy & Co. (クリスピー・アンド・コー)などコロコロと変えるようになりますが、中身が同じなので泣かず飛ばず…。

そして1976年にCaptain Dax (キャプテン・ダックス)というバンド名でリリースした最後のシングルで彼らはようやく成功を納め (日本の音楽ファンにも知られるようになった)、短期間に2枚のアルバムを出しますが、結局解散してメンバーはアメリカに戻ることを決意します。

このまま消えてしまうかと思われたバンドの解散から数年後、アメリカのヒップホップアーティストであるPublic Enemy (パブリック・エナミー)Wu-Tang Clan (ウータン・クラン: 上の写真)などのヒップホップアーティストたちがこぞって彼らの楽曲をサンプリングしてヒットを飛ばしたことを契機に、クラブ音楽ファンの間でRafayette Afro-Rock Bandが話題になります。それが1990年代の話。そしてフランスのレーベルが「もう1CDを作らないか?」ということで、1999年にベストアルバムをリリース。

基本的に全部インストなので、歌じゃないとイヤッて人には向いてないかもですが、僕は初めて彼らの音を聴いた時はすごくドキドキしましたね。

オススメ曲

M05『Hihache (ハイハッチ)』。おそらくこのアルバムを聴いたことがある人なら満場一致でこの曲だと思います。イントロはシンプルな8ビートなんですが、ドラムしか鳴ってないのにそれだけで十分カッコ良くて聴いていたくなる。実際、この部分をサンプリングした曲がたくさんあるということは、みんなこのドラムの音色やグルーヴ感が好きなんでしょうね。

 

Midville’s
中村

音楽講師 / ビートメイカー

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