
“TOKYO MUNCH” (山弦)
講師の中村です。
My Favorite Things #2。今回は僕の大好きなギターデュオ、山弦 (やまげん)の新作です。
“TOKYO MUNCH” (山弦)
2021年【日本🇯🇵】 アコースティック/インスト
日本を代表するギタリスト/プロデューサー、小倉 博和さんと佐橋 佳幸さんによるデュオ、山弦 (やまげん)。小倉さんはkōkua (コクア)、Bankband (バンクバンド)、佐橋さんはスターダスト☆レビューの根本 要さんとのデュオ”本日のおすすめ”での活動や、個人でアレンジャーとしても活躍されていますが、お二方共にレコーディング・ミュージシャン (サポート・ミュージシャン)として音楽通の間ではかなり有名で、SMAP『世界に一つだけの花』は小倉さん、小田 和正『ラブストーリーは突然に』は佐橋さんが弾いているなど、定番曲の耳に残るイントロやソロを弾いている、”プロが憧れる職人”的な存在なんです。
彼らの初期の作品をまとめた楽譜『山スコ』は初版 (2001年)からずいぶん経ちますが、今でも入手困難な状況。残念ながらネットの業者が何万円もの値段をつけるなどして、中古価格は相当に乱れていますが、それでも買う人がいるほど、多くのギター小僧たちに大きな影響を与えたことは間違いありません。

“TOKYO MUNCH”は17年ぶりの新譜。このアルバムは、リモートでレコーディングを行なったので2人が顔を合わせることはなかったそうです。片方が弾いた音源にもう片方が音を乗せて、ミックスしてやりとりしたんでしょうか。合奏の間がいつもよりピッタリな気がします。歌はありませんが、彼らはギター2本で歌以上のものを魅せてくれます。
オススメ曲①
今回は全編カバーになっていますが、いくつかセルフカバーもあります。その1つがこれ、M03『木と音』。元々は小倉さんのソロ作品なんですが、2人で弾くとまた新鮮。最初のコードが鳴った瞬間から音質の良さ、音色のキレイさに感動しました。
オススメ曲②
今作で特筆すべきはギター以外の楽器を積極的に使ったこと。M05『クリといつまでも』はSUPER CHIMPANZEE (スーパー・チンパンジー)という、桑田 佳祐さんのバンド (山弦のお二人もメンバー)が出した曲のカバーになりますが、フラット・マンドリンを使っています。

マンドリンはフレットがある弦楽器という点を除いてはギターとあまり共通点がなく、ギター以上に細かい動きが必要な難しい楽器です。それもこなせる山弦はすごいですね。
Midville’s
中村
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中村
音楽講師 / ビートメイカー
『井上 陽水英訳詞集』 著: Robert Campbell <講談社>
内容は日本語を母語にしている僕たちでさえも「不思議!」と思わざるを