
覚えた方がいいこと
講師の中村です。
初心者の生徒さんたちからよく「コードのは覚えた方がいいの?」と聞かれます。
もちろん1つ1つ覚えられるなら全部覚えてしまった方がいいですが、オープン・コード (セーハしないコード)であれば数曲もやれば遅かれ早かれ身につくのでわざわざ頑張って覚えようとしなくても大丈夫だと思います。
それにコードの数はたくさんあるので、闇雲に覚えても、使わなかったら意味がないです。

実は、1つのコードに対して指の押さえ方ッて何通りかあるんです。上の画像のように。なので、一番左のオープン・コードだけをCだと決めつけて覚えてしまうと他のが覚えられなくなるので大変です。必要なのはコード図を見てすぐに指を動かすことだと思います。
コードは覚えなくていいですが、どうせ丸暗記するなら、もっと絶対的で不変的なものにしてください。今回はそれらをご紹介します。
楽譜の反復記号や”シミレ”など
反復記号はちょっとややこしいです。どこからどこに戻り、どこへ飛ぶのか。D.C (ダ・カーポ)とD.S (ダル・セーニョ)の違いは何か。初めての人には少しハードルが高く感じます。そーゆう実践的な楽典規則は知っていて損はないですから、積極的に覚えてください。読譜の基礎なので。詳しくはここでは触れませんが、まとめた記事もございますので参照されたし。
ちなみに”Simile (シミレ)”も反復記号の一種で様々な使い方があります。スマイルではありませんし、音名のシとミとレでもありません。ギターの譜面で一般的によく使うのは音符と小節のシミレです。

シミレについても上の記事に載せてあります。丸暗記しちゃいましょう。
指板の音とインターバル
先に言いますがこれらを覚える作業はめちゃくちゃ退屈です。ただ、自己流でやってて行き詰まった人やそろそろ理論をやりたいと思っている人には手助けになると思います。
指板の音は知っているに越したことはありません。全部を覚えるとなるとちょっと気が遠くなると思うので、最初は低音弦 (4-6弦)を7フレットくらいまで覚えてみましょう。これはコードの動きを理解するための手助けになります。詳しくは下の記事で。
もし低音弦の音を覚えられたら、今度は高音弦 (1-3弦)の7フレットまで覚えてみます。そして各弦のオクターブの位置関係を覚え、全弦12fまで覚えたら、インターバル (音程)を覚えていきます。レッスンでは”度数マップ”という資料を使って説明しています。
指板の”音名”は誰がどのギターで鳴らしても同じ音が出る、いわば”絶対的”な価値ですが、度数というのはもっと”相対的”な概念です。同じドの音でも“ソから見たド“と“シから見たド“では、距離が違うため関係性も変わります。家ではぐうたらな父親でも、会社では頼れるボスッてこともあるワケで。その関係性がどーゆう調和を持っているか、人にどーゆう印象を与えるかを知っておくことは、コードの響きを覚えたり、実際メロディを書いたり、楽曲を深く理解する上でインターバルはとても重要になってきます。
和音の構成音 (コードトーン)
最後はコードの構成音、コードトーンを弾く練習です。指板の音を覚えたら、コードを押さえた時になんの音が鳴っているかを追求してみると面白いことがわかります。
例えば、Cメジャーのコードは”ド ミ ソ”で構成されていて (ご存知の方も多いでしょうけれども)、明るくて前向きなキャラクターをしていすが、これに“ラ“の一音を加えて”ラ ド ミ ソ”と鳴らすとAm7になります。少し暗い雰囲気でありつつ、悲しすぎない感じもします。構成音1つ加えるだけで、全然違う響きになることが和音ではよくあるのです。

レッスンでこの内容を扱う場合は主にAm7などのような4つの音から構成される“四和音 (テトラド)”のコードトーンを一音ずつ鳴らしていく練習をします。実際の音名を言いながら練習したり、度数を言いながら練習するのです。これがまぁ退屈なんですが、結局こーゆうのが必要になってくるんですね。
今日ご紹介した内容が一体なんの役に立つのかと言われたら、正直僕も上手く言えないです。別に劇的に上手くなる即効性のある練習でもないし、これを知ってたらプロになれるというワケでもないです… (プロの中にも楽譜は読めないとか書けないッて人はいるみたいですから)。ただギターは上達したけど頭打ちになって立ち止まっている人の多くは、”音楽”の部分が抜けているのかなぁというのが率直な意見です。弾く楽器によって常識が異なるのは分かるんですが、ドレミが分からないとか、譜が読めないとか、まぁ、普通に考えたらおかしいよねッていうただそれだけの話で。
Midville’s
中村
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中村
音楽講師 / ビートメイカー
『井上 陽水英訳詞集』 著: Robert Campbell <講談社>
ただ翻訳をしただけでなく、なぜそう訳したのかをあまり難しい言葉を使